目取真俊『眼の奥の森』試論――叙法 を中心に文献综述

文献综述

１．鈴木智之.『眼の奥に突き立てられた言葉の銛　目取真俊のlt;文学gt;と沖縄戦の記憶』.晶文社,2013.　本書は目取真俊の小説作品をめぐる四篇の論考を収めたものである。

この中で、『輻輳する記憶――『眼の奥の森』における「ヴィジョン」の獲得とlt;声gt;の回帰』という第四篇は『眼の奥の森』を詳しく述べた。

作者はまず章ごとに視点人物と人称構成を論じ、視角の複数性を検討した。

それから、いくつかの視点人物の例を挙げて、彼らの失った記憶が呼び戻すことで、つまりlt;ヴィジョンgt;とlt;声gt;の回帰で、「出来事」の真相を告げると主張する。

また、作者は区長、久子などの人物の見た幻視と真実の比べから取りかかり、彼らの複雑な心理を分析した。

さらに、作者は『眼の奥の森』の政治性を明らかにして、目取真俊が小夜子と盛治のことを1995年の米兵による少女暴力事件に連鎖することを述べた。

一方、沖縄戦――ベトナム戦争――911という暴力闘争の歴史過程を構築し、「銛の切っ先」がこの過程に貫くことを明らかにした。

２．スーザンブーテレイ.『目取真俊の世界　歴史記憶物語』.影書房,2011.　本書は目取真俊の『水滴』、『風音』と『魂込め』という三つの作品を中心に、目取真俊の世界を検討した。

最後、結論として、目取真俊の戦争の捉え方、語り方の特徴などを提出した。